施工管理技士(現場監督)の仕事内容には
どんなことがあるの?
工事現場で
長い棒の測りを立てて何をしてるの?
前回は工事で作るものには
位置が決まっているお話をしました。
前回記事はこちら↓
今回はそれを深堀していこうと思います。
では決まっている位置を
どうやって出していくのか。
少しマニアックな話になっていきます。
施工管理技士(現場監督)は何してる?
施工管理技士(現場監督)は何してる?
答えは現場によって違うので
ひとえには言えません。
ひとつだけ言えるのは
「担当した工事を完成させること」
です。
今回はそのプロセスのひとつである
物を作る=「位置出し2(レベルについて)」
について解説していきます。
構造物を作るには高さが必要
作るものには必ず高さがあります。
高さの無いもの
なんて言うと「紙」
なんてことになってしまいます。
作るものは地面を基準に
「地下」に高さが必要なのか
「地上」に高さが必要なのか
分かれます。
アスファルトを地面と
同じ高さに仕上げるにしても
厚みがあるわけですから
地下を厚み分だけ
へこませておく必要があるわけです。
図面には高さが指定されています。
「平面図」=(空から見た図面)
には基準となる高さから
+50であるとか-50とか書かれています。
これは作られる地面の高さの
仕上がり高さを指します。
地面も「作るもの」です。
作るもの(構造物)は
「構造図」があり
(ものを断面で切り取った図面)
これには地面を基準に
1000とか500書かれています。
これは作るものが
どういう形状になるかを表しています。
例:↓ガードレールの構造図↓
ではこれらの高さは
どのようにして出していくのでしょうか。
答えは
レベルを使用して出していきます。
レベルとは何だろう
レベルとは高低差を測る機械の事を言います。
水平にセットすることによって
高低差を測ることのできるものです。
例えば地面から地下に50㎝掘りたいとします。
レベルで測れば
- あとどのくらい掘ればいいのか
- 掘りすぎてしまっていないか
の確認が容易に出来ます。
レベルの考え方
レベルを水平に設置すると
レンズで覗いた先はすべて水平です。
360°以上どこまでも回転しますが
どこもかしこも水平です。
そのレンズから除いた先にスタッフを置き
数字を読んで高さを測っていくものです。
※スタッフとは縦長の物差しです。
具体的にどうやるの?
例えばですが湖を想像してみてください。
湖畔のほとりにレベルを水平に設置。
湖の水面にスタッフを立てて図ると
全部同じ数字になります
(水面は基本的に水平です)。
けれど湖の底にスタッフを立てて当たると
…読む数字は大きくなります。
逆に湖にある桟橋にスタッフを置くと
…読む数字は少なくなります。
例でいえば、
水面の数字を基準に
「底はいくつ深く」
「橋はいくつ高いか」
を測って管理していくのです。
水面から50cmの深さに
なにか物を作りたければ
底面をどのくらい掘ればいいか…
計算できそうな気がしませんか?
※これはあくまでもイメージのお話です。
まとめ
今回は物を作るのための位置だしのうち
高さについて解説してきました。
「30㎝位のブロックを1個、水平に置く」
程度であれば
水平器を使って出来そうですが
何メートルもあるものや
何か所も物をつくる時には
レベルが欠かせません。
考え方は至ってシンプルなのですが
数多く測ったりすると
混乱するものでもあります。
少しマニアックな話ですが…
レンズを覗いて見えた数字が
- 大きいとその場所は低い
- 小さいとその場所は高い
これをしっかり覚えるだけで
間違いを減らすことが出来ます。
今回も最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
今回はこの辺で。
コメント
興味のある分野の業務内容が素人にもわかりやすく書かれているのでこれから全て読ませていただこうと思います。質問なのですが、レベルの水平を出す仕組みが想像できません。あのサイズで手動で調整して水平ラインがそれが何十メートルも狂わないの?それが狂ってないってどうすればわかるの?室内でレーザー使った墨出しでも水平狂って頭も狂いそうな経験をしたので質問させていただきました。調整方法の追加説明を頂ければうれしいです。
新米職長さん
コメントありがとうございます。
正直なところ、何十メートルも狂わないなんてことは
土木構造物では出来ないと考えています。
実際、出来高管理でも許容誤差があり
その範囲内に収めるように水平は出します。
室内でレーザーというと、建築関係のお仕事でしょうか。
建築の水平はレベラーを使うほど厳密ですが
土木の舗装では使うのを見たことがありません。
全国の基準は分からないですが私の知っている範囲では
「建築の許容誤差は4mm、土木は20mm」位のはずです。
調整方法については今後記事を更新していくときに
より細かい説明を加えていきたいと思います。
ありがとうございます。
内装工程の一部で携わっておりますが、測量とか、墨出しとか、あらゆる基準になる失敗を許されない重責職務の方々、けっして形には残りませんが尊敬してます。これからも現場とネットでいろいろと学ばせて頂きます、こちらも楽しみにしております。
返信ありがとうございます。
内装なんですね。
建築は基準が厳しいですよね。
一緒に頑張っていきましょう✨