施工管理技士(現場監督)
の仕事って具体的にいうと?
工作とか好きだけど
作る以外には何してるんだろう?
最近はテレビのCM等で
建設業の宣伝をちらほらと
見かけるようになりました。
会社名を宣伝しているわけですから
宣伝内容は間違っていない
と思いますが
具体的にどんな仕事をしているのか
は分かりにくいです。
では実際にどんな事をやっているのか
のひとつを解説していきます。
前回記事はこちら↓
施工管理技士(現場監督)は何してる?
施工管理技士(現場監督)は何してる?
答えは現場によって異なるので
ひとえには言えません。
ひとつだけ言えるのは
「担当した工事を完成させること」
です。
今回はそのプロセスのひとつである
記録に残す=
「産業廃棄物管理票(マニフェスト)管理」
について解説していきます。
工事は作るだけじゃない
工事を完成させること。
これは施工管理技士(現場監督)に
課せられた使命です。
ですが好き勝手に作って
「ハイ!完了」
なんてそんなわけにはいかないです。
楽しく出来ることもあれば
つまらなく淡々とやるしかない
こともある
もちろんそれは当然と思います。
これはどんな業界の仕事でも
当てはまるものです。
今回はそんな
つまらない方の仕事内容の話です。
工事を進めていくと
ゴミ(廃棄物)が出てきます。
古いものを新しくしたりするので
当然古いのものはゴミとなるわけです。
どんなものかというと
「コンクリートの塊」
であったり
「木材」
であったり
「金属」
だったりと様々です。
みなさんは家庭から出たゴミは
どうしますか?
近くの収集場所に持っていって
ゴミの収集業者が回収して
持っていってくれますよね。
では工事で出たゴミは
どうすればいいでしょうか?
近くの収集場所に持っていっても
回収されることはありません。
それどころが
不法投棄として
罰則を受けることになります。
では家庭から出たゴミと
工事で出たゴミと
何が違うのでしょうか。
それは
「一般廃棄物」
か
「産業廃棄物」
の違いです。
「一般廃棄物」
工事で出たゴミは
「事業活動に伴って出たゴミ」
なので
「産業廃棄物」
です。
では「産業廃棄物」
はどうすればいいのでしょうか。
産業廃棄物の処分の仕方
産業廃棄物は
排出事業者が指定の処理業者に
処理をお願いする形で処分されます。
これが答えなのですが
分かりにくいと思いますので簡単にいうと、
「工事をする会社が
ゴミを捨てられるところに
処分をお願いする。」
ということですね。
そのゴミは法令で
細かく種類が決められています。
産業廃棄物の種類一覧表
種類 | 具体的な例 |
燃え殻 | 焼却残灰、石炭火力発電所などから発生する石炭がらなど |
汚泥 | 工場廃水処理や物の製造工程などから排出される泥状のもの |
廃油 | 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチ等 |
廃酸 | 写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類等すべての酸性廃液 |
廃アルカリ | 写真現像廃液、廃ソーダ液、金属せっけん廃液等すべてのアルカリ性廃液 |
廃プラスチック類 | 合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなどの合成高分子系化合物 |
ゴムくず | 天然ゴムくず |
金属くず | 鉄、銅等の金属くず |
ガラス・コンクリート・陶磁器くず | ガラスくず、耐火れんがくず、陶磁器くずなど |
鉱さい | 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かす等 |
がれき類 | 工作物の新築、改築または除去により生じたコンクリート破片、アスファルト破片その他これらに類する不要物 |
ばいじん | 大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって集じん施設によって集められたもの |
紙くず | 建設業、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物か工業から発生する紙くず |
木くず | ①建設業、木材又は木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業から発生する木くず、おがくず、バーク類 ②貨物の流通のために使用したパレット ※パレットを使用した物品を受け取った場合は、受け取ったところの責任で処理する |
繊維くず | 建設業、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工場から発生する天然繊維くず |
動物系固形不要物 | と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物 |
動植物性残さ | 食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業で原料として使用した動物や植物に係る固形状の不要物 |
動物のふん尿 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等のふん尿 |
動物の死体 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等の死体 |
汚泥のコンクリート固形化物など、上記の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記に該当しないもの |
※赤文字の廃棄物は「建設業、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物か工業」以外の業種(例えばIT企業など)は一般廃棄物として処分することが出来ます。
※青文字の廃棄物は主に畜産業となっています。
上のものについては
「産業廃棄物」
となり、これ以外は
「一般廃棄物」
となります。
ゴミを受け入れてくれる
企業によって
受け入れられるものの
種類や価格は様々です。
経験から言うと
「何でも受け入れます!」
というところは
処分費用が比較的高く
種類ごとに特化したところは
比較的金額が安く済む傾向にあります。
しかし、細分化して
何社にも分けて運んでいると
今度は運搬費がかさんできます。
種類・量・距離を把握して
より経済的に処分できる方法を
毎回考えていく必要があります。
管理の仕方
ゴミの処分先が決まりました。
じゃあどんどん運んで
綺麗にしていきます!
とこれまたそう簡単に
いかないのが現状です。
それにはいくつか理由があります。
マニフェストで管理する
マニフェストとは
排出事業者が処理を委託する
ときに発行する管理票を言います
(1部7枚綴りです)。
産業廃棄物を捨てるには
このマニフェストがないと
捨てることが出来ません。
この管理票
「処分する車1台ごとに1部」
必要です。
そこには
記入しなければならないことが
たくさんあります。
「日付」「工事名」「排出事業者名」「工事の名称」「運搬する会社」「運搬した人」「車の車種とナンバー」… … …。
ととにかく面倒な物のです。
また、この管理票は
ゴミが最終的に処理されるまで
ずっとゴミと一緒についてまわり
完了すると排出事業者のもとに
戻ってきます。
戻ってきた管理票をみて
適正に処理されたかどうか
を確認して、押印。
また、その後も
工事が終わってから5年間保存
ととにかくめんどくさいものなんです。
運搬するにも許可が必要
廃棄物を処分するところまで
運び込むのにも許可が必要となります。
例えば
コンクリートを壊して
「がれき」
がゴミとなりました。
がれきを適正に処分してくれる
プラントまでは
「産業廃棄物収集運搬許可」
の「がれき」
の許可がないと運搬できません。
「都道府県知事又は政令指定都市」
の許可が必要となります。
豆知識ですが
実はこれは
「産業廃棄物」だけでなく
「一般廃棄物」も許可が必要で
家庭ごみを焼却場に運ぶのも
許可が必要だったりします。
市町村で出来るようです。
処分数量を記録しておく
管理票には
11桁の数字が入っていて
同じものは存在しません。
これに実際に捨てた計量伝票を
合わせて記録として
まとめておく必要があります。
多い時だとこの管理票だけで
5cmくらいのファイル1冊とかになります。
「車のナンバー」
「処分したもの」
「数量」
が実際と違う場合は
処罰の対象となります。
この
「日付」「車のナンバー」「処分したもの」
が写真とリンクされているかチェックを受けます。
詳しくは過去記事↓
日々少しずつまとめて
管理しておかないと
最後にとんでもないことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
記録を残すといっても
写真のように
華々しいものだけでなく
地味に積み上げるものも
あるものなのです。
つまらないことも慣れてくれば
機械的にに行えるもの。
日々鍛錬ですね。
事務作業として
こんなこともやってるんです。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
今回はこのくらいにしておきます。
コメント